自動売買やEAなどのシステムトレードを運用するうえで欠かせない、稼働と停止のタイミング。
実は大多数の方が、EAを稼働させる意味と運用を停止する理由をちゃんと理解していないと言う事が多く見受けられます。
そこで今回は、自動売買やEAの運用を行う意味と稼働を停止する理由を詳しく解説したいと思います。
EAは稼働させないと「もったいない」と言う思いこみ
自動売買ソフトやEAを入手した方の大半が「早く稼働させたい!」と思うのではないでしょうか?
私自身もそうでしたが、1秒でも早く稼働させないと稼げる機会を損失してしまうと言う思いがある事かと思います。
しかし実際は、少しでも早く稼働させたからと言って得をすることはまったくありません。
突然ですが皆さんは、自動売買やEAに対して「どのようなもの」だと捉えているのでしょうか?
中にはシステムトレード自体を、粗悪で稼げないものだと考えている方も多いでしょうが、私のブログを見に来てくれたと言う事はシステムトレードに対して少なくとも「良いもの」だとお考えだと思います。
恐らくそのような方は「24時間トレードを行ってくれる便利なツール」「トレード技術が無くてもある程度稼げるもの」だと思っているはずです。
もちろん、このような考え方自体は悪いことではありませんが、「稼げる」と言うポジティブな考え方が前面に出てしまい「損失を出すかも」と言うマイナス要因を考える方は非常に少ない印象です。
自動売買やEAはどれだけ優秀であっても、大げさに言ってしまうと世界中の方が満点評価をしているようなEAであっても損失を出してしまう事は必ずあります。
つまりいくら早く稼働させたからと言っても、利益が出る保証などどこにも無いうえに、もしかすると損失を出してからのスタートとなってしまう可能性だってあり得るのです。
自動売買やEAを手に入れた瞬間から「早く稼働しなければ利益を得られる瞬間を逃して勿体ない」と言う、半ば脅迫観念を自身に植え付けてしまっているかもしれません。
初めて自動売買を運用する方や、新しいEAを手に入れた方は「本当に稼いでくれるのか?」とドキドキする一方で、「早くトレード結果が見たい!」「どれだけ利益を得られるのか今からワクワクする!」と言う感情から一刻でも早く運用を始めたいと思う事でしょう。
ですがまずは、自動売買やEAを手に入れたら自身でバックテストを取り直してみる事や、フォワードテストが公開されている場合は、今がEAの好調期か低迷期か、またはそろそろ大きな波が来て損失を出してしまうかも知れないなど、運用を始める前に落ち着いて精査してから始めて見ると良いかもしれません。
運用を停止する事の意味
「今夜は重要指標発表があるのでEAの稼働を停止しましょう」
「現在は相場が荒れているので今週のトレードは見送ってください」
自動売買やEAの稼働を停止することには様々な意味合いがあります。
特に一番よく目にするのは「相場が大きく動く可能性があるから運用を停止する」と言う事ではないでしょうか?
自動売買やEAはプログラムで動いているため、想定されている値動き以上の対処は苦手とされています。
そのため大きくレートが動く際は、稼働の停止を推奨されている場合がほとんどです。
しかしそれ以外にももう1つ、トレーダーの精神が疲弊している場合も運用の停止を推奨しています。
自動で取引を行ってくれているので、運用しているトレーダーが疲れる訳がないと考えるかもしれませんが、意外とシステムを運用していると言うだけでかなり精神的な疲れが生じているものなのです。
恐らくシステムトレードを経験したことがある方ならば、含み損が気になってしまうと言う経験があるはずです。
仮に含み損を抱えにくいシステムだとしても、現在の保有ポジションだったり為替レートや、そもそもシステムがちゃんと動いているのか気になるのではないでしょうか。
1度や2度くらいならば疲れを感じると言う事は無いでしょうが、意外と精神的な疲れと言うものは蓄積されて行くものなのです。
実際にYouTubeで発信されている凄腕の裁量トレーダーの方でも「スマホで気軽にトレードをしているつもりでも、結構疲れを感じることがある」と語っています。
疲れを感じた場合にはどうするのか?という問いについても「疲れを感じたらチャートは一切見ず、FX以外のことを考えたり遊びに行ったりする」「FXしか収入源は無いけれど、疲れたままトレードをしてもミスを繰り返すだけなので、長い時は1か月近くチャートすら見ない」とも語ってくれています。
システムトレードも同じように、蓄積された精神的な疲労をそのままにしておくと、設定を失敗してしまったり、損失を出した時に感情的になってしまいロット数を推奨以上に上げるなどの行為に走ってしまうかも知れません。
「今日はもう保有ポジションを確認するのも辛いな………」
と少しでも感じたのであれば、運用を停止し、しばらくFX以外のことを考えたりすると良いでしょう。
自動売買やEAの稼働を停止するのは損失を回避する以外にも、トレーダーの心をリフレッシュする意味合いを持つことも知っておいてください。
運用の稼働と停止する意味についてまとめ
自動売買やEAは稼働をしていないと稼ぐことは出来ませんが「少しでも早く稼働すれば得をする」「稼働を停止しているともったいない」と考えてしまいますが、必ずしもそうではありません。
稼働しているからと言っても必ず利益につながるとは限りません、また停止しているから機会損失しているわけでは無く、むしろ損失を回避していると考えてください。
もっと根本的な事を言いいますと、自動売買やEAを手に入れたからと言って必ず稼働させなければならないと言う訳でもありません。
ちょっとでも「思っていたものと違うかも?」と思えば稼働させない方が良いでしょう。
運用を続ける=正義
稼働を停止する=悪
と言う訳では無く、適切に稼働のONとOFFを切り替えるのがシステムトレードで稼ぎ続ける一番の近道なのです。
もっと言ってしまいますと、1年の半分以上稼働を停止していた方が逆に稼げたりするものなのです。
自動売買やEAは確かに便利なツールではありますが、ひたすら運用し続けるのではなくトレーダーである自身の心とも相談しながら運用を行ってみてください。
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