自動売買やEAにはそれぞれ推奨されている「通貨ペア」と言うものがあります。
ではなぜ特定の通貨ペアしか使えないのか?その理由を詳しく説明したいと思います。
通貨ペアによって値動きの仕方が違うから
これは「当たり前」と言われそうですけど、むしろここが一番重要なのです。
通貨ペアによってはレンジの幅や値動きにクセがあるので、EAを開発する際にはそれぞれの通貨ペアの特徴を見抜いてその通貨ペアに合う適切なロジックを組む事を重視しているからです。
そのため推奨通貨ペア以外ですと、値動きの予想が出来ないため損失を出してしまう事もあるのです。
例えば、ある一定のレンジ幅で動きやすいドル円やユーロドルを推奨しているEAに対して、値動きが激しくトレンド発生時には元の価格まで戻ってこないようなポンド円にそのEAを稼働させると、おそらく損失が出てしまう可能性があります。
逆にボラティリティが少ない通貨ペアですと、エントリーすらされない可能性もあります。
どうして「おそらく」や「可能性がある」と濁して、「絶対に損失が出てしまう」と言い切らなかったのには訳があります。
それについては、次の項目で解説していきましょう。
通貨ペアごとにスプレッドが違うから
最初に言っておきますと、優秀なEAはそれほど通貨ペアを厳選しなくてもある程度の利益は理論上出せるようになっています。
それでは、どうして推奨通貨ペア以外では勝ちにくいのかと申しますと、通貨ペアごとにスプレッドが違うからなのです。
そんな事はご存知かと思いますが、EAで利益を上げるためにはここが深く関わってくるのです。
それぞれ皆さんは色々なFX業者を使ってると思いますが、ここでは私の使っているXMで解説していきたいと思います。
例えばドル円とユーロドルが推奨のEAがあったとします、この2つの通貨ペアはスプレッドが狭いのでお馴染みかと思います。
この2つの通貨ペアのスプレッドはおよそ1.3~1.7pipsで推移しています(変動制のため例外あり)
そのEAをポンド円で稼働させたとしましょう、ちなみにポンド円はメジャー通貨でありながら平均スプレッドは3.5pipsあります。
するとどうでしょう、エントリーした時点でドル円などに比べてすでに2pips負けている状態からトレードが始まるのです。
その結果、同じ利幅を取るためにはドル円などの通貨よりレートが動いてくれないと、利確の価格まで到達しない場合があるのです。
これはEAのロジックにもよりますが「あと1pip上がったら利確できたのに!」と言ったところでレートが反転しそこから含み損に耐える時間が続くかもしれません。
逆にドル円やユーロドルならキッチリと利確されてる可能性が高いです。
さらにEAによってはスキャルピングのロジックが組まれているものもあるので、このスプレッド幅が大きな問題となってくるのです。
EAは特に、24時間フル稼働させていますので、取引回数が必然的に多くなります。
そのため、売買を繰り返した際のスプレッド=手数料が積みあがっていき、結果としてスプレッドの広い通貨ペアですと利益があまり出ない場合もあります。
なので優秀なEA=どんな通貨ペアでも使えるとは限らないのです。
ちなみにこれはポンド円の通貨ペアが悪いと言ってるのではなく、あくまでも推奨されてる通貨ペア以外はオススメできないと言う一例であり、ポンド円に特化したEAも存在していますので誤解なさらないようにお願いします。
時間足も重要
通貨ペア以外にも、EAを稼働する時間足も重要となってきます。
例に出しますと1分足を推奨しているEAを30分足で稼働させますと、EAがうまく機能せず最悪の場合ロジックに不具合が起きて損失を出してしまうケースもあります。
また反対に、1時間足が推奨されているEAを「どんどん取引して欲しいから5分足で稼働させよう」と言うのも絶対にやめてください。
このように通貨ペアだけではなく、EAを稼働させる時間足にも気をつけておかないと、間違った時間足で稼働させてしまう場合もあるので注意が必要です。
EAにもトレーダーと同様スキャルピング、デイトレ、スイングなどそれぞれ得意分野がありますので、推奨されている時間足以外での稼働は止めておきましょう。
EAの推奨通貨ペアが限られてるのまとめ
今回は何故このテーマを取り上げたのかと言いますと「限られた通貨ペアでしか使えないEAは粗悪なものであり、本当に優秀なEAならどんな通貨ペアにも対応できる」と言う記事を見かけましたので、疑問を感じ色々調べて今回の記事を書かせていただきました。
確かに、どんな通貨ペアにでも対応できるEAは間違いなく優秀なものです、だからと言って限られた通貨ペアに特化したEAが粗悪であると言うのも間違っている気がします。
皆さんも自分の気に入った通貨ペアを推奨しているEAを探してみて、自分に合ったEAを見つけてみてください。
以上、この記事が参考になれば幸いです。
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