FXの自動売買の種類には様々なものがあり、代表的なものがエキスパートアドバイザーと呼ばれるEA
最近その数が増え、参加者もどんどん増えているMAM
この2つにはそれぞれ特徴があり、似ているようで全く違う性質を持っています。
今回はEAとMAMの特徴を解説しながら、それぞれ良いところと悪いところも含めて解説したいと思います。
EAとMAMとは?
EAとはエキスパートアドバイザーの略であり、MT4に導入すればEAに搭載されているロジックに従い自動で売買を行ってくれるソフトのことです。
対してMAMとは、マルチアカウントマネージャーの略であり、資金は自分が開設した口座のまま委託されているトレーダーが売買指示を行う一種の投資信託とも言えます。
委託されたトレーダーの取引結果が自分の口座にも反映される仕組みとなっており、EAと違い自動売買ソフトの導入や24時間稼働させ続けるためのパソコンやVPS等が必要ありません。
ただどちらにも言える事は、ほとんど放置したままでもFX初心者からベテランまで同じ結果を残すことが出来ると言う点です。
この大きな利点が自動売買やEA又はMAMの参加トレーダーを増やし続けている要因にもなっています。
EAの良いところ、メリット
様々な種類から選べる
EAは10年以上前から存在しており、2021年現在までに様々な種類が登場しています。
さらに今までのノウハウを蓄積しているので、EAが登場した初期よりも優秀なEAも数多く開発されています。
具体的は種類を挙げていきますと、ナンピン系やワンポジ系、スキャルピングからスイングトレードも出来るEA等、説明すればキリがないくらいの種類があります。
EAを運用したい方にとって、自分に合った種類やロジックが搭載されたEAを選ぶことが出来ます。
EAの種類が多いことを「良いところ」として紹介しましたが、デメリットを説明しますと、まったく稼ぐことの出来ない詐欺商材も多いので注意が必要です。
稼働させるも停止させるも自由自在
EAは稼働させたい期間や時期など、トレーダーが自由に稼働のONとOFFを切り替えることが出来ます。
24時間稼働させ続けるのが基本だと思ますが、もし途中で成績が悪くなってきたり相場情況と合わないとトレーダーが思えばEAの稼働を停止するなどある程度の融通が利きます。
その他にも、EAの成績が継続的に悪くなり「寿命かな?」と感じれば別のEAを探して来て入れ替えるなどトレーダーのやりたいようにできるのがメリットとも言えます。
出金も自由にできる
EAを稼働させている最中であっても出金は自由にできます。
唯一注意点として、ポジションを大量に保有している場合は証拠金維持率の関係で出金額の制限が設けられている可能性があります、それぞれ自身が使用しているFX業者の情報をご確認ください。
自作もできる
EAはプログラミングさえできれば自作することもできます。
最近では「EAつくーる」などプログラミングが出来なくても簡単なEAなら作成可能になったのでとても便利ですね。
ただし稼ぎ続けられるEAを作成するためには、自身が裁量トレードで稼ぎ続けられるだけの力があり、複雑なプログラムを組めることが最低条件だと思います。
EAの悪いところ、デメリット
経済指標など急変の相場に弱い
EAは搭載されているロジックに従い淡々と売買をこなすだけなので、経済指標発表による想定していなかった値動きや、世界規模の事件などにより市場が混乱した際の荒れ相場には対応することが出来ません。
経済指標発表前にトレーダーの意思でEAの稼働を停止することが出来ますが、過去に起こったリーマン・ショックやコロナ・ショック時のような急変にはEAもトレーダーも対応することが難しいでしょう。
コロナ・ショック時のドル円チャート
実際にコロナ・ショックによるレートの急変により大量のEAが破綻してしまいました。
仮に損切り機能が搭載されていたEAであっても大きな損失は免れなかったでしょう。
不具合が起こると損失が膨らむ
EAと言うのはシステムの一部なので、そのシステムのどこかに不具合が起こってしまうと最悪の場合損失を出してしまうかも知れません。
システムが不具合を起こす原因として、EAがエントリーしたポジションを手動で決済してしまう、MT4を閉じてしまう、パソコンが再起動またはシャットダウンしてしまう、EA稼働中にロット数やその他パラメータを変更する等してしまうと不具合を起こし、予期せぬエントリーやポジションが決済されないなど損失を生む原因となるので、EAの動向は随時チェックしましょう。
VPSなどの諸経費が掛かる
EAは24時間稼働させ続ける事により真価を発揮します。
そのためにはパソコンを24時間稼働させ続けたり、VPS業者と契約するなど諸経費が掛かってしまいます。
パソコンを24時間稼働だったら諸経費が掛からないと思われがちですが、電気代は年間にするとそれなりにかかるでしょうし、24時間稼働させ続けるには普段使用している以外で別のパソコンも購入しなければ安定した稼働は難しいかと思われます。
諸経費は一応、EAで稼ぐために絶対に必要なものと税務署に認められれば確定申告にも使用できるので、一概にデメリットばかりとも言えません。
MAMの良いところ、メリット
MAMについてもEAとは違う良いところと悪いところがあるので、それぞれ紹介したいと思います。
完全放置でOK!
MAMの取引方法はマスター口座と言われる親アカウントと紐づけをして、MAMのトレーダーの取引結果が自身の口座にも反映されるシステムなので、MAMに委託しているトレーダーは完全に放置で問題ありません。
EAでは必須だった重要指標発表時や荒れ相場での稼働停止は全てMAMのマスター口座であるトレーダーが行ってくれるので安心して見守ることが出来ますね。
VPSやパソコンは必要なし
EAを24時間稼働させるために必要だったVPSやEA稼働用のパソコンはMAMでは必要ありません。
MAMでの取引を行うのに必要なものは「口座開設」と「資金の入金」だけです。
MAMの指定口座の開設自体もスマホがあれば十分なので、極論を言うとパソコンも必要ありません。
相場の急変に対応できる
完全放置でOKの部分でも言いましたが、相場が急に荒れたり乱高下を繰り返したりしてもMAM口座のトレーダーが対応してくれます。
情況に応じて稼働のONとOFFの切り替えだけではなく、MAM口座のトレーダーの判断で荒れ相場に乗っかるトレードも行ってくれるので、場合によっては損失どころが大きな利益を手にする可能性も秘めています。
基本的には大きな損失を出さないように静観することが多いでしょうが、それだけでも十分だと言えます。
MAMの悪いところ、デメリット
損切りなど裁量を加えられない
MAMに委託しているトレーダーは、あくまでマスター口座に紐づけするための口座を開設するだけなので、こちらから損切りや決済などの裁量を加えることは出来ません。
名義や資金は口座開設したご自身のものですが、口座の管理はMAMのトレーダーの物となっているので注意が必要です。
特に大きく相場が動くと事前に予想が出来ても、MAMに委託しているトレーダーには何もできないので最悪の場合大きな損失を被る可能性がある事も考えておきましょう。
出金が自由にできない
MAMの種類や契約内容などにより違いがありますが、基本的にポジション保有中は出金が出来ないものと考えていた方が良いと思います。
出金をしたくても裁量でポジションを決済したりできないので、特に注意が必要です。
ポジションをガンガン持つタイプのMAMだと最悪の場合、稼働を停止しないと出金が出来ないケースもあるので、利益が出たとしても自由に使えるお金ではないと把握したうえでMAMでの運用を考えておきましょう。
利益から手数料を引かれる
MAM自体は無料のケースがほとんどですが、利益が出た際はその利益から手数料が引かれます。
これもMAMの種類により違いがありますが、おおよそ利益の10~35%は手数料として持っていかれる事を覚えておきましょう。
なので想定月利が10%や50%と謳っていても、実際の利益はもっと少ないものと考えておくことです。
詐欺案件も多い
MAMと言うものは登場してまだ日も浅いですが、詐欺案件も少なくはありません。
特に多いのが、マスター口座と紐づけをして入金した直後に資金を持ち逃げされるケースです。
マスター口座は紐づけした先の口座を全て把握できるので、出金されてしまう事もあるのです。
MAMでの運用を考えている方は必ず事前に情報を調べて信頼のできるMAMでの運用を行ってください。
EAとMAMについてまとめ
EAとMAMはどちらもシステムトレードと呼ばれるものですが、その中身はまったく異なる性質を持っています。
特にここ最近でMAMは急激に種類を増やしていますが、EAが衰退したり無くなったりすることはまずありません。
今後は恐らく共存しながら、さらにシステムの充実化を図っていくと思うので、今よりも複雑な相場に対応でき稼ぎ続けられるものが登場してくることでしょう。
つまりEAとMAMどちらが良いのかどちらが悪いのかではなく、状況に応じて使い分けるなどトレーダーの選択肢が広がったと言うことが出来ます。
EAとMAMは数十年後も存在し続け、もしかするとまた違った自動売買方法が登場し、システムトレードが主流になってくる未来もそう遠く無いかもしれませんね。
EAとMAM徹底比較!
☑ 種類の多さや出金の利便性はEAの方が良い
☑ 相場の急変や損失を抑える能力はMAMの方に軍配が上がる
☑ 完全放置ならMAM、ある程度裁量を加えるならEAを選ぶと良い
☑ ただしどちらも詐欺案件が多いので運用前の下調べが必要
その他、気になる事があれば下記のお問い合わせフォームにお気軽に連絡してください。