「このEAで今月は20万円の利益を得ました」
「月利40%以上を3か月間継続しています」
これらの文言は自動売買やEAの宣伝などでよく用いられ、システムトレードに興味のある方は目にする機会が多いことかと思われます。
利益を安定して得られる事や金額をはっきり明記されている事は良いことだと思いますが、その自動売買やEAってどれだけの獲得pips数を得られているのか分かりますか?
「利益が出ていれば獲得pips数なんて関係ないでしょ?」と少しでも思っていたのなら、今後システムトレードで失敗する可能性があります(絶対失敗するとは言いませんが)
どうして獲得pips数が重要なのか?
そもそも獲得pips数が多いから利益が出ているのでは?
など、疑問に感じていると思いますので詳しく解説します。
Contents
獲得pips数を重視する理由
獲得pips数を重視するのは単純に、自動売買やEAの持っているパフォーマンスを知ることが出来るからです。
「そんなの当たり前じゃん…」と思うかも知れませんが、実は結構重要だったりします。
獲得pips数が多ければもちろん利益金額も多くなりますが、獲得pips数がマイナスであっても利益を残す方法があります。
それは「ナンピンマーチンゲール」を用いた自動売買やEAの場合です。
ナンピンマーチンはご存知の方も多いことだと思います、実際にナンピンマーチンを使用した自動売買やEAが多いので利用している方もかなり多く居る事でしょう。
このナンピンマーチン型EAのパフォーマンスや破綻の可能性を知るためには、どれだけの獲得pips数を得られているかである程度知ることが出来ます。
それでは獲得pips数を用いた計算でどのような事が分かるのか解説します。
獲得pips数の計算方法とパフォーマンス
ナンピンマーチンゲールの手法とは、最初にエントリーを行ったレートから思惑と逆行したとしても、ロット数を上げ追加でエントリーを行う事により総合して利益を上げる方法です。
(1ロット⇒2ロット⇒4ロット⇒8ロット⇒16ロット………)
ロット数が大きくなればなるほどレートが逆行していると言う事なので、初期ポジションの獲得pips数はどんどんマイナスになっていくのが分かるかと思います。
この事を踏まえたうえで獲得pips数を計算してみましょう。
獲得pips数の計算方法
基本的にナンピンを行った前提で計算してみます。
ナンピン無しの例
☑ 1ロット +20pip
☑ 獲得pips数+20pips 獲得利益20,000円
☑ 獲得pips数も利益もプラス
ナンピン1回の例
☑ 1ロット 0pip 2ロット+10pips
☑ 総獲得pips数+10pips 獲得利益20,000円
☑ 総獲得pips数も利益もプラス
ナンピン2回の例
☑ 1ロット -11pip 2ロット -1pip 4ロット +9pips
☑ 総獲得pips数-3pips 獲得利益23,000円
☑ 総獲得pips数はマイナス、利益はプラス
ナンピン3回の例
☑ 1ロット -21pip 2ロット -11pip 4ロット -1pips 8ロット +9pips
☑ 総獲得pips数-24pips 獲得利益25,000円
☑ 総獲得pips数はマイナス、利益はプラス
※利益金額は出来るだけ同じになるように調整
※ナンピン幅は10pipsの等間隔で設定
ナンピン幅やナンピン倍率、ナンピンを行った際の決済方法はEAによって異なりますが、ほとんどの自動売買やEAの場合は2回以上ナンピンを行っただけで総獲得pips数がマイナスになってしまいます。
「別に利益がちゃんと出ているから良いのでは?」と思うかも知れませんが、基本的に獲得pips数は自動売買やEAのパフォーマンスに直結します。
獲得pips数から見るEAのパフォーマンス
最初に言っておきますと、月間または年間の総獲得pips数はプラスになっているEAの方が優秀です。
「どうしてそんなことが分かるの?」
それは、総獲得pips数がプラスのEAはナンピンをほとんどせず1~3エントリーで決済されている場合が多いと言う事、すなわち優位性や根拠の高い場所でエントリーをしている可能性が高く優秀なEAであると言えるのです。
逆に総獲得pips数がマイナスで続いているようなEAは、ナンピンマーチンありきのEAの可能性が高いと言えます。
つまり明確なエントリー根拠はほとんど無く、総合でプラスの利益が出れば良いと言う考えなので、あまり優秀だとは言えません。
それにナンピンマーチンありきと言う事は、ロット数も大きくなりがちであり含み損を長期間多く抱える性質を持ったEAとも言えます。
仮に同じ利益金額、同じ月利のEAが数種類あったとすれば、総獲得pips数はプラスになっているEA、または総獲得pips数がマイナスであってもほんの少しだけ(月単位だと-10pipsまで、年間だとプラスマイナス0pipが好ましい)のEAを利用すると良いでしょう。
実際にあった実例
過去に気になったEAがあったので、提供を行っている方に質問してみた実例を紹介します。






実は自動売買やEAを提供している方でも、平均月利などは把握していても獲得pips数まで把握している方はごく稀です。
自身が運用を行い提供しているEAであっても、獲得pips数やパフォーマンスについて理解している方はほとんど居ません。
理解していないからと言って悪いEAと言う訳ではありませんが、他の人にも利用してもらおうとするのなら、提供しているEAの能力くらいは把握しておいて欲しいと思いました。
獲得pips数で計算すべき理由まとめ
正直言って、獲得金額や月利と言うものはロット数を上げれば見栄えが良くなります
つまり同じ金額、例えば5万円を稼ごうとすれば10ロットで5pips勝てば5万円の利益が出ます、0.01ロットで5万円を稼ごうとすれば5000pips勝たなくてはなりません。
「毎月5万円稼げますよ」と言うEAが複数あったとするなら、私の場合5000pips勝ってくれるEAを選びます。
ぶっちゃけてしまえば獲得金額や月利なんてものはロット数を上げればどうにでもなるのです。
それよりも大事なのは「EAが持っているパフォーマンスはどの程度なのか」が一番重要です。
利益が多くても獲得pips数がマイナスとなっている自動売買やEAは、ほとんどの場合無理な設定で運用している事でしょう。
EAが持っている本来のパフォーマンスが知りたいのであれば、myfxbookなどを参考にしてみると良いかもしれません。
pips数の履歴が知りたい場合は、知りたいEAのアカウント⇒取引アクティビティまで下スクロール⇒ピップスで知ることが出来ます。
もし獲得pips数を知りたいEAがmyfxbookなどに登録していない場合は、今までの取引履歴をスマホなどで見せてもらい自身で計算するしかありません(すごく大変です!)
そもそも取引履歴や含み損を見せてくれる自動売買やEAは少ないので、すべてを公開してくれているEAを探し出すのは大変かもしれませんが、大切な資金をシステムトレードに預けるのであれば、苦労してでも優秀なEAを見つけるべきだと考えています。
もちろん獲得pips数だけで自動売買やEAの能力を全て把握することは出来ませんが、ある程度のパフォーマンスを知ることが出来るので参考にしてみてください。
その他、気になる事があれば下記のお問い合わせフォームにお気軽に連絡してください。