「期待していたEAが含み損だらけに……」
「損切りの連発で今月はマイナス収支に……」
自動売買ソフトやEAを稼働させていても、なかなか思ったように利益が上がらずマイナス収支となったり、大量の含み損を抱えてロスカットの心配をし続けたりなどの経験があるかと思います。
今回はそんな「EAが不調期に陥った時の正しい判断と解決法」を詳しく解説したいと思います。
Contents
ナンピンマーチン型EAの不調期
EAの特性やロジックの違いなどにより、それぞれ不調期の確認方法が違ってきますので、まずはナンピンマーチン型のEAについて解説します。
ナンピンマーチンEAの不調期の判断
ナンピンマーチン型EAの特徴は何と言っても、複数のポジションを抱えながら損失を相殺し利益を生み出すことにあります。
その特性故、毎日のように利益があり勝率もほぼ99%近くありますが、レートが一方の方向に進んでしまうと含み損が膨らみなかなか決済されないと言う特徴も持っています。
ナンピンマーチン型EAは損切りをしないタイプが多いので純粋な資金が減っていく事はありませんが、含み損を抱えすぎるといずれロスカットされてしまう危険性が高いとも言えるでしょう。
しかも数日間に渡り含み損を抱え続けてしまうと、かなり心配になってくることかと思います。
ナンピンマーチン型EAの不調期の判断はこの「含み損を大量に抱えたまま数日間決済されない」事にあります。
2,3日間ならまだしも、2週間以上前のポジションが決済されないまま残っている場合は「不調期」と判断します。
スイング系のEAなら2週間ポジションを保有し続ける事もあるでしょうが、ナンピンマーチン型EAの多くはスキャルピング~デイトレードを謳っているものがほとんどなので、数日前のポジションが残っているのであればかなり危険だと言っても差し支えないでしょう。
大量の含み損を抱えることが1度だけなら良いのですが、何度もポジションを塩漬けするような状態であれば明らかに不調期だと言えます。
ナンピンマーチンEA不調期の解決法
含み損を大量に抱えていると言う事は、おそらく数日前~数週間前のポジションを保有している可能性が高いです。
しかも、数日前に約定されたレートまで戻るのはかなり厳しい状態だと言えますので、ここは潔く損切りを行った方が賢明だと言えます。
損切り方法ですが、まずはEAの稼働を停止し現在のレートから一番遠いポジションを1つずつこまめに損切りを行いましょう。
ある程度レートが反発した場合、損失は大きくなるかもしれませんが、すべてのポジションを決済してしまうのも有効な手段です。
「10万円の損切りを躊躇ったために100万円ロスカットされてしまった……」
このような事にならないためにも、損失はかなり痛いかもしれませんが、ロスカットされずに証拠金さえ残っていればまた稼げるチャンスが訪れますので、損失は勉強代だと思って損切りしてしまいましょう。
単発(ワンポジ)型EAの不調期
単発(ワンポジ)型EAの不調期の判断
単発(ワンポジ)型EAの場合、ナンピンマーチンとは違って利益と損失を繰り返しながら最終的に利益が残るように設計されています。
そのため、1年間など長期的なトータルの成績を重視しているので月間単位だとマイナス収支の月も出てくるでしょう。
単発(ワンポジ)型EAはこの特性故、好調期と不調期の判断は難しくなってきます。
なので仮に2か月連続でマイナス収支だからと言って不調期だと判断は出来ないのです。
それでもある程度の判断材料としては、エントリー⇒損切り、エントリー⇒損切りを連発して利益となる事が極端に少なければ不調期の可能性が高いと言えます。
例としましては…
まだ不調期ではない判断
☑ 損失⇒損失⇒利益⇒損失⇒利益⇒利益⇒損失⇒損失
☑ 損失の割合が多いが利益もちゃんと出ているのでまだ不調期と判断できない
不調期だと判断
☑ 損失⇒損失⇒損失⇒利益⇒損失⇒損失⇒利益⇒損失⇒損失
☑ 明らかに損失の割合が大きいので不調期と判断する
EAの中には勝率30%でもちゃんと利益を上げられるものが存在しますので、単純な勝率は好調期、不調期とは関係ない場合も多いですが、損失額が今まで稼働していたどの期間よりも大きければ不調期と判断しても良いでしょう。
資金が目に見えてどんどん減っていくので精神的にも辛く、早く対処したいところではあります。
単発(ワンポジ)型EA不調期の解決法
不調期だと判断すれば、まずはEAの稼働を停止しましょう。
もしポジションを持っている状態なら、損切りも同時に行い何のポジションも持っていない状態にします。
仮にEAのロジックが分かっている場合、EAは稼働させず「もしEAを稼働させてエントリーしていた場合どのような結果になっていたか」を手動で過去検証してみます。
1週間~1か月間の検証を行い、損失が少なく利益の方が上向いてくればEAの稼働を再開させても良いでしょう。
自信で検証できない場合で同じEAを他の人も使用しており、トレード結果を公開している場合は成績が上向いて来てから稼働させるのも問題ありません。
しかし不調期だからと言ってすぐにEAの稼働を停止するのではなく、不調期の損失も受け入れて稼働し続ける方が利益を伸ばせることも多くあります。
単発(ワンポジ)型EAはナンピンマーチン型EAと違い、一気にロスカットされて資金が底をつくことはほとんど無いので、損失はある程度受け入れましょう。(資金に対してのロット数を守っている場合)
EAの不調期と寿命の違い
EAは一時的に不調期に陥っているのか、それとも寿命が来てしまって利益を上げ続けられなくなったのか判断が難しいところではあります。
不調期と寿命の1つの目安としてバックテストの「最大ドローダウン」を見て判断が出来ます。
使用しているEAの公開されているバックテスト、または自身で取ったバックテストの最大ドローダウンの項目を見て、リアルトレードのドローダウンの方がバックテストのドローダウンより大きければ寿命、リアルトレードのドローダウンがバックテストの最大ドローダウン内に収まっていれば不調期と言う考え方が出来ます。
例えば上記のように、バックテストの最大ドローダウンが7.64%のEAがあったとしましょう。
少し余裕を持ってみて、リアルトレードのドローダウンが10%以内に収まっていればEAの不調期、リアルトレードのドローダウンが15%以上あれば寿命だと言う風に考えられます。
EAが不調期の判断
☑ 証拠金100万円に対して10万円までの損失、またはナンピンマーチンの場合10万円以内の含み損
☑ バックテストの最大ドローダウンと相違が少ないので不調期と考える
EAが寿命の判断
☑ 証拠金100万円に対して15万円以上の損失、またはナンピンマーチンの場合15万円以上の含み損
☑ バックテストの最大ドローダウンと相違が大きいので寿命の可能性が高い
バックテストはあくまで過去のレートから算出されたものなので、現在のレートに当てはめた所で信ぴょう性は低いのですが、それでも過去の最大ドローダウンよりも明らかに大きな損失が出た場合は寿命の可能性を考えましょう。
具体的なEAの寿命については、過去の記事を参考にしてください。
EA不調期についてまとめ
「お金を稼ぎたい!」と思い自動売買やEAを稼働させているのにも関わらず、不調期で利益が上がらず損失が出てしまうのは誰しも嫌だと思います。
しかしプログラムに従い淡々とトレードを繰り返す自動売買やEAの特性上、不調期による損失は絶対に免れません。
自動売買やEAで稼ぐと決めた以上、損失も受け入れるべきなのです。
ですが人間は十人十色、様々な性格の方が居ますので自動売買やEAを稼働させる前にまず「自分はどれだけの損失を許容できるか」を考えて下さい。
「自分はドローダウン5%までしか受け入れない!」
「私は最大含み損50%以上でも平気」
など考え方も様々だと思います。
「週利50%!」「月利100%!!」などをセールスとしているEAは多くありますが「最大の損失は○○%」「最大の含み損は○○%」と謳っているEAはほとんどありません。
自動売買やEAは必ず不調期がやってきますので、EAを稼働させる前に「このEAはどれくらい損失を出すのか」を考えてから自分に合ったEAを選んで見ましょう。
その他、気になる事があれば下記のお問い合わせフォームにお気軽に連絡してください。