アメリカ雇用統計やFOMC政策金利発表、さらには要人発言の内容などにより為替レートが大きく動くことがあります。
特に今回の2021年6月に発表されたFOMC政策金利の内容により、ユーロドルが大暴落してしまい大きな損失やロスカットされてしまったEAが続出してしまいました。
どうしてロスカットされてしまったEAが今回に限って多かったのか、その背景や具体的な対策を考えていきたいと思います。
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FOMC政策金利発表でロスカットされてしまった理由
まずFOMC政策金利とは、アメリカの金利政策を決定する会合のことであり、年に8回開催されます。
金利政策の発表内容によっては為替レートが大きく動くため、アメリカ雇用統計と並んで注目度の高い指標となっています。
特に今回(2021年6月)のFOMCの金利政策発表によりドル関連、その中でもユーロドルが大暴落してしまった為に、ロスカットされてしまったEAや自動売買が多くありました。
通常はFOMCなどの重要指標発表でレートが大きく動いたからと言ってロスカットされてしまうEAや自動売買はほとんどありませんが、今回はさまざまな要因が絡んでしまったために起こってしまった事態と言う事なので、その理由を詳しく解説したいと思います。
今回の発表は予想以上の内容だった
今回(2021年6月)のFOMC政策金利の発表内容は、市場関係者ですら予想していなかった急激な変更によるものです。
元々ゼロ金利維持を予想していたのに対し、実際に発表されたのは「2回利上げ」と一気に2段階アップと言う内容でした。
その結果、ドル円はもちろんのこと特にユーロドルが大きな影響を受けてしまい、大暴落へとつながったのです。
ユーロドル1時間足チャート
チャートが窓を開けてしまうほどの大きな値動きにEAや自動売買が対応できず、ロスカットされてしまう事態へと陥ってしまいました。
生き残ったEAや、逆に利益を上げた自動売買も存在しますがナンピンマーチン型のEAの多くは損失を被ってしまった事でしょう。
先週から下落の流れが止まらなかった
何度も言っていますが、通常EAや自動売買は100pips程度の値動きでロスカットされてしまう事はほとんどありません。
では何故今回に限ってロスカットされてしまうEAが多かったのか?
それは今回の大暴落だけではなく、先週からユーロドルが下落を続けていたと言う背景が存在します。
ユーロドル日足チャート
ナンピンマーチンゲールを取り入れているEAや自動売買なら、ある程度の反発さえあれば利益の確定やポジションの一掃を行うことが出来ますが、反発が少なければ決済ポイントまで届かず含み損を抱え続けなければなりません。
今回(2021年6月)は特にFOMCの前週からユーロドルの下落が続いてしまったため決済を行うことが出来ず、ある程度ポジションを抱えてしまったまま指標発表を迎えてしまったEAや自動売買も多かった事でしょう。
そして今回のFOMC政策金利発表でさらに下落⇒ロスカットの悪循環が生まれてしまったのです。
重要指標発表時の具体的な対策法
今回起きてしまった重要指標発表でのロスカット続出は、防げなかった事案ではありません。
事前に対策をしていれば、ロスカットは十分に防ぐことが出来たでしょう。
それでは具体的な対策法をご紹介します。
重要指標発表前はEAを停止する
レートが急激に変動するような重要指標発表前はEAの稼働停止をオススメします。
とくに為替相場に影響力の大きい「アメリカ雇用統計」「FOMC政策金利発表」これら2つの重要指標だけでも意識していれば、ロスカットされてしまう危険性は大幅に下がります。
EAを停止してしまうと「本来得られるはずだった利益を得ることが出来なくなる」と考える方も多いかと思いますが、EAや自動売買の運用で大事なのは利益を上げる事よりも損失を減らすことにあります。
利益を上げる事を優先してしまうと、今回のような大量のEAがロスカットされてしまう悲劇へと繋がってしまいます。
裁量トレードでも「いかに損切りをするか」が重要と言うように、EAや自動売買のようなシステムトレードでも「いかに損失を回避するか」が重要になってくるのです。
指標発表2~3日前からポジション整理をする
今回(2021年6月)のFOMC金利政策発表で多くのEAがロスカットされてしまった大きな理由は「指標発表前からすでに大量のポジションを保有していた」からに他なりません。
通常EAと言うのは100~200pipsの変動に耐えられるように設計されているものがほとんどです。
実際に今回のFOMC金利政策発表での変動レートは140pips程でした、それにも関わらず多くのEAが損失を出してしまったのは指標発表前にポジション整理を出来ていなかったからです。
特に今回はユーロドルが前週から下落を続け、すでに大量の含み損を抱えていたEAが多くあった事でしょう。
含み損を多く抱えていた為に「指標発表があるのは分かっているけど、損失を出したくない」と言う心理が働き、ポジション整理が出来ずFOMCを迎えてしまった方が多く居たはずです。
その結果、指標発表によりさらに下落⇒ロスカットへと繋がったのです。
証拠金に対し10~20%の含み損を切る事を躊躇ったがために、全額損失を出してしまいました。
なので重要指標発表前は必ず、損失を出してでもポジション整理をすることを心がけましょう。
できればアメリカ雇用統計やFOMC発表の2~3日前からEAを停止していれば安全にポジション整理が出来ます。
2~3日前からEAを停止していると利益を出すことは出来ませんが、何度も言うように利益よりも損失を出さない事の方が何倍も重要なのです。
月々の利益は少なくなってでも、損失を回避することを優先してください。
重要指標におけるEAの運用対策まとめ
EAや自動売買のようなシステムトレードは、私たちトレーダーの代わりに売買を続け利益をもたらしてくれる非常に優秀なツールとなっています。
しかし運用方法を間違えてしまいますと、大事なお金が一瞬にして無くなってしまう事もあります。
利益を得る事も大事ですが、まずはいかに損失を減らすかを考えて運用してみましょう。
そのためにはまず「適切なロット設定を守る」「重要指標時は運用を停止する」「ポジションが多くなった時は適切に損切を行う」と言った事がとても大事です。
システムトレードはほったらかしでは絶対に稼げません、人の手による裁量も必要になってくることをお忘れなく運用を行っていきましょう。
その他、気になる事があれば下記のお問い合わせフォームにお気軽に連絡してください。