FXの取引を行っている世界中のトレーダーの人口の中で、日本人が一番多いと言うのを知っていましたか?
「でも日本人って投資に対して消極的じゃないの?」
と思った方も多いかと思います。
実際に投資をしている人の割合は多くありませんが、世界中のFXトレーダーの人口の中で日本人が一番多いのは間違いないのです。
どうして世界的に見ても日本人FXトレーダーが多いのか?世界と比較してみてどうなのか?について解説したいと思います。
日本人投資家の割合
まずは日本人投資家が、実際にどれくらいの割合で存在しているのか見ていきましょう。
株式や投資信託の人口
日本証券業協会の調査結果
こちらは日本証券業協会が平成30年に約7,000名を対象にアンケートを行った結果です。
こちらの結果から、株式投資は12.6%、投資信託は9.2%となっており、預貯金に至っては92.8%と言う結果が出てます。
複数回答も可と言う事なので、株式投資しながら預貯金もしていると言った方も多く、単純に全ての人が預貯金だけしているわけではありません。
ですが株式などの投資全般を行っている方が合わせて約20%くらいしか無く、どれだけ日本人が投資に対して消極的なのか分かるデータですね。
この事から日本人が投資を行っている人口は未成年を除くので約1,200万人くらいと推測ができます。
ん?多いのか?
日本人のFXトレーダー人口
日本国内のFX業者口座開設数は約660万口座となっており、そのうちのアクティブ口座は約80万口座とも言われております。
ただしアクティブ口座の中には1人で複数の口座を運用している方も多く、実際のFXトレーダー数は50万人前後だと思われます。
FX口座は基本的に18歳以上でないと口座開設できないので、18歳以下を除いた日本人人口は約1億人となり、アクティブFXトレーダは人口の約0.5%に過ぎないのです。
株式や投資信託を行っている人口が約1,200万人なので、FXトレーダーの数が約50万人とどれだけ少ないのか分かっていただけたかと思います。
「あれ?日本人って世界的に見てもFXトレーダーが多いんじゃなかったの?」
実はここからが本題なのです、実際に世界のトレーダーと日本人のトレーダーの割合を見ていきたいと思います。
世界のFXトレーダーと日本のFXトレーダー
まず結論から言ってしまいますと、世界中のFXトレーダーの約57%は日本人トレーダーなんです。
アメリカやヨーロッパの方が投資は盛んだと思っていた方も居るかもしれませんが、実はFXと言うのは世界的に見てもマイナーな投資手段であり、FX相場の参入者はそれほど多くは無いのです。
なので日本人FXトレーダーがものすごく多いのではなく、世界中のFXトレーダーが少ないので必然と日本人の割合が多くなっているだけなのです。
「FX」と言う名前なので海外の方が主流だと思っていたのは私だけではないはず(笑)
そもそも海外ではFXと言う文化があまり根付いて無く、アメリカなどで「FX」と言っても「What?」と返されてしまう事でしょう。
これにはもちろん理由があり、アメリカの通貨はドルですが、ドルは世界1位の流通通貨であり支払いやお買い物などは全てドルで用が済んでしまうので、わざわざ他の通貨と交換すると言う認識自体が無いためです。
つまり「為替」自体にまったく興味が無いため、FXと言う投資が流行らない一因にもなっているのです。
ヨーロッパの国々も同じで「ユーロ」と言うヨーロッパならほとんど、どこの国に行っても使える通貨があるので他の通貨に交換してまで使おうと言う発想がありません。
このため世界的に大きな割合を占めるアメリカやヨーロッパのFXトレーダーの人口が少ないので、日本人のFXトレーダー人口が比率として大きくなっているわけですね。
一応例外もあり、ヨーロッパでも唯一FXが盛んな国があります、それはイギリスです。
イギリスはご存知の通り通貨は「ポンド」となっているため、他の通貨に交換しないと使えない=為替に興味のある方が多い傾向にあります。
と言ってもイギリスと日本では人口も違うため、いくらイギリスでFXが盛んだと言っても日本人トレーダー数には及びません。
日本人FXトレーダー人口の割合まとめ
それでは最後に国ごとの外国為替取引額も見ていきたいと思います。
順位 | 国名 | 取引高 |
1 | イギリス | 3,576億ドル |
2 | アメリカ | 1,370億ドル |
3 | シンガポール | 639億ドル |
4 | 香港 | 632億ドル |
5 | 日本 | 375億ドル |
6 | スイス | 275億ドル |
2019年外国為替取引高
「あれ?日本人FXトレーダーの人数って世界一じゃなかったっけ?」と思うかも知れませんが、取引高では世界5位なのです。
日本人はトレーダーの数こそ多いのですが、一人当たりの取引額はそれほど多くないのです。
逆にイギリスやアメリカでは一人当たりの取引額が多く、投資に資産のほとんどをつぎ込んでいます。
実際に金融資産の内訳を説明すると
日本人の金融資産内訳
現金や預金 | 52.3% |
投資関連全般 | 15.1% |
アメリカ人の金融資産内訳
現金や預金 | 13.9% |
投資関連全般 | 51.2% |
ヨーロッパ諸国の金融資産内訳
現金や預金 | 34.6% |
投資関連全般 | 38.7% |
日本人は現金や預金として資産を持っている割合が多く、アメリカ人やヨーロッパ諸国の方々は株式や投資信託など投資関連に多くの割合を割いているのが分かります
しかも日本人とアメリカ人の資産の割いている割合が全く逆ですよね。
簡単に言いますと、100万円を持っているとしたら日本人の場合は約50万円を預金として残し、投資関連には15万円しか使わないということです。
アメリカ人の場合は預金は14万円くらいで投資関連に50万円以上も投資しているということです。
自身の持っている資金をどこに回すのかと言う意識が全く違うのが分かります。
この意識の違いが日本人トレーダーは人口こそ多いが、投資に多くのお金は使わない。
アメリカ人やヨーロッパの方々は、トレーダーの数こそ多くは無いが一人一人の投資に回す金額が桁違いに多いと言う結果にも出てますね。
確かに周りの人で株やFXをやっていると言う方は何人か居ますが、証拠金に何千万円や何億円と入金している人を聞いた事がありません。
アメリカやヨーロッパの方々は逆に、証拠金に何千万円や何億円と入金している人が何人もいると言う事なのかもしれません。
日本人は投資に対する意識は他の国々の方とは違いますが、勤勉で真面目な人が多い日本人はむしろ投資に向いている性格とも言えます。
日本の相場の歴史は古く、今も世界的にチャートで使われているロウソク足や一目均衡なども日本人が考案したものです。
相場分析では坂田五法、三尊天井や逆三尊なども日本人が考案したもので、昔から相場に対して勉強と研究をしていたことが伺えます。
ただ日本人は真面目が故に、投資など資産を失う可能性のあるものにお金を賭けるのではなく、預貯金などで堅実に資産を守るタイプなのかもしれません。
それでは最後にまとめです。
FX投資家日本人が世界一多い理由
☑ 世界中のFXトレーダーの内、日本人が約57%を占めている
☑ ただ日本人トレーダーが多い訳では無く、外国のFXトレーダーが少ない
☑ FXは世界的に見てもマイナーな投資法である
☑ 日本ではFXの浸透率が高いので海外に比べてトレーダーが多いだけ
☑ 日本人は投資に割く金額は海外に比べ少額である
☑ 日本人は投資よりも預貯金で堅実にお金を貯める傾向にある
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