2021年11月5日金曜日の夜、まさかのニュースが飛び込んできました。
MAMと言うコピートレードで有名な「ギアシステム」が一晩で資金が底をつき破綻してしまったと言う情報です。
今まで順調に利益を得ていたギアシステムに何が起こったのか?
さらに被害者の多くからは「詐欺案件」だったのでは?との発信も寄せられたので、詳しく解説したいと思います。
Contents
ギアシステムとは?
「ギアシステム(Gear System)」とは、MAMと言われる自分の代わりにトレーダーが口座に入金されている資金を運用する、一種のコピートレードのようなものです。
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MAM(マム)やPAMM(パム)と言った言葉を聞いた事があるでしょうか? 今回は、この2つの取引方法について徹底的に解説していきたいと思います。 Contents1 MAM(マム)やPAMM(パム ...
ギアシステムは2020年11月から運用を開始し、2021年10月まで毎月10~20%の利益を出していました。
その安定感と利益の多さから、ギアシステムへの登録者は1000名以上にも登る有名なMAMでした(中には2000名以上とも言われている)
ちなみにMAMを運用するためには、それぞれのシステム運営側が指定した証券会社の口座を開設しなければなりません。
ギアシステム運営側が指定した証券会社が、後々問題となってくる「Trading Forex(トレーディングフォレクス)」と言う証券会社でした。
Trading Forex(トレーディングフォレクス)とは?
TradingForex(トレーディングフォレクス)とは、2020年ごろに設立されたかなり新しい海外証券会社だそうです。
一体どのような会社なのか調べてみたところ…
所在地 | Third floor, Unity House, Palm St, Victoria, Mahe, Seychelles |
所在国 | セーシェル諸島 |
金融ライセンス | 無し |
日本語サポート | あり |
お問い合わせ | support@trading-forex.asia |
電話番号 | 不明 |
金融資産 | 不明 |
トレーディングフォレクスは証券会社なのですが、金融取引を行うのに必要な「金融ライセンス」を所持していないものと思われます。
その他にも不明な点が多く、メールでのサポートはあるものの「電話番号」「資本金」「事業開始年月日」の記載が全くありませんでした。
ただ会社の公式ホームページのドメイン取得が2020年3月だったので、おそらくこの時期辺りに会社を設立したのではないかと推測します。
トレーディングフォレクスの怪しい噂
実はトレーディングフォレクスは以前から「あまり信用できない」と不安視されていました。
その実情をいくつかご紹介します。
出金拒否、出金遅れが相次いだ
ギアシステムと言うMAMは安定的に利益を出し続けていたので、利益は当然出金する事と思います。
しかし出金依頼をトレーディングフォレクスに出したのに…「利用規約違反があるので出金に応じられない」「出金依頼を無視される」「すでに出金処理済みなので対応できない」などの出金トラブルが続出していたのです。
一応、出金は出来たものの出金依頼を出してから1か月後まで出金できないなどの事態が頻繁に起こっていました。
この事から「トレーディングフォレクスは信用できない証券会社」などの口コミが以前から広がっていました。
怪しい案件の電話がかかって来た
ギアシステム運用者の中には「このようなMAMがありますが、一度試してみてはどうでしょうか?」などの新たなコピートレード案件が直接ギアシステム使用者へ電話勧誘があったとのことです。
あまりに怪しい電話勧誘だったので多くの方は「遠慮しておきます」と断ったそうなのですが、なにぶんギアシステムの調子がかなり良かった事もあり、数人の方はこの電話勧誘の指示に従い入金を行って、新しいコピートレードを始められたそうです。
しかしコピートレードの内容としては「トレードを始めた途端ありえないトレードを繰り返す」と言う事だったそうです。
中には初日に300万円入金し、次の日には4万円しか残っていなかったと言う方も居られます。
つまり最初から資金を飛ばす気で勧誘を行い、勧誘元が得をする完全な詐欺だったと言う訳ですね。
まず、どうして個人の電話番号が知られていたのか?
その真相は、トレーディングフォレクスが顧客の情報を流していたのではないかと言う疑惑です。
何故なら、そのコピートレードを行うのに指定した証券会社もトレーディングフォレクスでした。
つまり詐欺業者とトレーディングフォレクスが一体となって、詐欺を働いたのではないかと言う疑惑が持ち上がったのです。
この段階で、トレーディングフォレクスは危ない会社だと一気に危機感が広まっていたとのことです。
ギアシステムが破綻した真相
それでは今回の騒動の本題です、なぜ今まで順調だったギアシステムが一晩にして破綻してしまったのか?
それはおそらく「最初から大量の顧客を募り、時期を見て資金を持ち逃げする詐欺だった」のではないかと推測します(あくまで推測です)
これは「ポンジ・スキーム」と言われる有名な詐欺手段です。
ポンジ・スキームとは?
☑ 詐欺のなかでも特に、「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれ、その利益を出資者に配当しているかのように装うもののこと。投資詐欺の一種に分類され、日本語で「自転車操業」と呼ぶような状態に陥り、最終的には破綻する。
(Wikipedia参照)
今回の騒動の具体的な流れは以下の通りです。
今回の騒動の具体的な経緯
2020年11月よりギアシステムの運用を開始し、利用者を募る
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安定した運用と着実に利益を積み上げる事によりギアシステム運用者がさらに増える
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その間、ギアシステム利用者への出金依頼は新規顧客の入金による自転車操業で一時的に賄う
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自転車操業なので出金が遅れる事が目立ち始める
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トレーディングフォレクスへの疑惑が立ち信用がなくなり始める
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新規MAM案件の勧誘を行い、この辺りから資金持ち逃げの実行を開始したと思われる(推測)
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2021年11月、わざと無理なトレードを行い顧客の資金を破綻させる(推測)
ちなみに同じくトレーディングフォレクスで運用していた「ユニバースシステムプロ」「MAXトレード」も同じ日に破綻したとのことです。
Twitterなどでもかなりの被害報告が出ています(一部だけ紹介)
中には「実際に取引は行われておらず、過去の取引履歴はすべて架空の物」と言う方も居られます。
確かに、MAMと証券会社が結託すれば取引履歴も改ざんは出来ますし、取引結果の後出しも容易に行えます。
良い取引結果を公表し、利用者を安心させてから資金を募り持ち逃げするのは完全なる詐欺です。
出金遅れが目立つのも、自転車操業だと分かれば納得できますね。
しかしギアシステム側の弁解として…
どうやらギアシステムのバージョンアップに伴う不具合が発生し、予期せぬ取引が行われたと言う事ですが…
それは絶対にありえません、なぜならMAMと言うのはトレーダーが常に監視し自動売買ソフトやトレーダー自身の取引を管理できるものだからです。
トレーダーが監視していたのにも関わらず、想定していない取引が行われたのならそこでストップをかけることができます。
つまり破綻に追い込んだ無理な取引は、意図して行われた取引と言う事になります。
さらに紹介者の弁明としては…
「2020年11月から1年間利用していたのなら、すでに元本回収と利益分は出ていたので今回ロスカットされてもプラスで終えれたはず」
との事でしたが、そもそも出金申請してもかなり遅れるので、ギアシステム利用者全員が利益分も含めて手元に資金が残せたのか謎なんですが…
ギアシステム破綻の真相まとめ
おそらく今回の真相は「トレーディングフォレクス」を大元とし「ギアシステム」「MAXトレード」「ユニバースシステムプロ」と言うMAMで資金を募り始めから持ち逃げする計画だったのではないでしょうか(あくまで推測)
元々この「ギアシステム」「MAXトレード」「ユニバースシステムプロ」の3つは取引履歴も似ていることから「同じトレーダーが監視のもと行われているのでは?」と言う憶測も以前からありました。
取引履歴自体が架空のものかどうかはFX会社でなければ判断できませんが、おそらく出資者を募るための偽装だった可能性が高いです。
MAMの運用自体は、システム利用者自身の開設された口座を使用するので、基本的に資金を持ち逃げすることは出来ません。
ですが親元のFX会社と結託されると、口座をわざと破綻させて資金を全額FX会社へ還元する事は可能です。
特に親元のFX会社がB-Book(DD方式)なら容易となります。
この事からもMAMを利用するのであれば「長年信用のあるA-Book(NDD方式)のFX会社」だけにしておきましょう。
「利用者が多いから大丈夫」「評判が良いから詐欺なんかじゃない」「知ってる人が勧めているから安心」と思わずに、必ず自分自身の手で調べてからコピートレードや自動売買を利用するようにしましょう。
最後に、投資を行う際は必ず「自己責任」と言う事をお忘れなく。
その他、気になる事があれば下記のお問い合わせフォームにお気軽に連絡してください。