「ナンピンマーチンゲールは危ない手法」
FXの経験がある方なら、聞いた事がある言葉だと思います。
ですが、どのような理由で危ないのかをちゃんと説明しているサイトは少ない感じがします。
それにどの記事を見ても「危険だ!」「破綻する!」「絶対勝てない」などの言葉のみで、メリットについて触れている記事はほとんど無いと言っても過言ではありません。
そこで今回はナンピンマーチンゲールの手法についてと、良い部分や悪い部分についても解説していきたいと思います。
Contents
ナンピンマーチンゲールについて
まずはナンピンマーチンゲールと言うものを知らない方のために、簡単にですが解説していきます。
ナンピンとは?
ナンピンと言うのは、最初にエントリーした価格よりもレートが逆行した時に、その逆行した価格で再び同じ方向にエントリーをすることをナンピンと言います。
例えば「買い」でエントリーした場合、レートがどんどん下がってしまった時に、その下がった価格で再び「買い」のエントリーをします。
この場合ですとポジションを2つ持つことになりますが、最初のエントリーポイントまで価格が戻らなくても利益を出すことが可能です。
ポイント
ドル円100円で買いのエントリー
価格が下がり90円で再び買いのエントリー
価格が上昇し98円で2ポジションとも決済
最初の100円まで戻らずとも利益が出ている。
マーチンゲールとは?
マーチンゲールとは元々投資ではなく、カジノの必勝法に用いられていた手法なのです。
例えば、最初に1万円を賭けて勝負し負けてしまったとします、次の勝負では先ほどの倍の2万円をかけて勝負し、再び負けてしまったら今度はさらに倍の4万円を賭けて勝負します。
このように勝つことが出来るまで掛け金を倍々に増やして利益を得る方法をマーチンゲールと言います。
この手法をFXに当てはめてみますと、
ポイント
ドル円100円で1Lotの買いでエントリー
価格が下がり90円で2Lotの買いでエントリー
価格がさらに下がり80円で4Lotの買いでエントリー
価格が上昇し88円で全てのポジションを決済
最初の100円と2回目の90円まで戻らずとも利益が出ている。
先ほどのナンピンより価格が下がってしまっても、少しの上昇幅で利益を出すことが出来ます。
この手法のことを2つの名前を合わせて「ナンピンマーチンゲール」と言います。
ナンピンマーチンゲールが危ないと言われる理由
ナンピンマーチンゲールは最初のエントリーポイントで、たとえレートが逆行してしまっても、利益を上げることが出来る手法なのです。
そのため勝率は非常に高く、利益をコツコツと積み上げてくれます。
それではどうして危険だと言われるのか、それは使いどころを間違えてしまうと含み損は加速度的に大きくなり、最悪の場合ロスカットされてしまうからです。
ナンピン系の手法は、どんどんポジションを増やしていくので、証拠金が少ないと含み損に耐えられない可能性があります。
そのため、順調に利益を積み上げているEAでも、ある日突然資産を全て溶かしてしまう危険性を含んでいます。
こういった理由から、ナンピンマーチンゲールは危ないと言うトレーダーが多いのです。
ナンピンマーチンゲールは決して危ない手法ではない
ナンピンマーチンゲールと言う手法は、最悪の場合すべての資金を無くしてしまう可能性があります。
ですがそれは根拠のない「買い増し」「売り増し」の場合だけです。
ナンピンをするときに、含み損を取り返す事だけを目的としたエントリーをしていては、いずれロスカットされてしまうでしょう。
しかし、根拠のあるエントリーの場合は危険だとは言い切れません。
つまり最初から、ある程度レートが逆行する可能性があると判断した場合のエントリーでは危険度が大きく下がります。
EAの場合も同じです、根拠のないエントリーをするEAと根拠のあるエントリーをするEAでは破綻する確率が全然違ってきます。
特に根拠のないエントリーをするEAは、自動売買を稼働させたとたんにエントリーをし始める場合が多いです。
そのEAはほぼ間違いなくロスカットされてしまうEAでしょう。
すぐにロスカットされてしまうような、悪いEAと良いEAを見分ける方法を書いた記事がありますので参考にしてください。
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ナンピンマーチンゲールは、特に初心者の裁量トレーダーにはオススメできません。
上記でも言った通り、根拠のあるエントリーの場合はナンピンしてもそれほど危険ではないと言いました。
ですが、初心者の根拠あるエントリーと、長年利益を出し続けているベテランのトレーダーの根拠あるエントリーポイントは、まったく違うものだからです。
いくら初心者の方が「このエントリーには根拠がある!」と言っても、まだ経験の浅いトレーダーですのでそのエントリーの根拠が薄いのです。
逆にベテランのトレーダーのエントリー根拠は、中身の濃い優位性のあるエントリー根拠だと言えます。
おそらくその後、ナンピンをした場合、初心者の場合は最悪ロスカットされる可能性が高いですし、ベテラントレーダーの場合は利益を出せる可能性が高いでしょう。
それはEAにも同じことが言えます。
根拠のあるエントリーをするEAと、全く根拠のないエントリーをするEAでは破綻する確率はまったく異なってきます。
この2つがナンピンマーチンゲールを取り入れたEAだとしても、私からすれば全く違う種類のEAだと思っています。
なので私の提供しているEAがナンピンマーチンゲールと聞いただけで「遠慮しておきます」と言われることがあるのですが、個人的にはちょっとだけ悲しくなります。
ナンピンマーチンゲールが全て悪で、それ以外のEAは稼げるものだと勘違いしている人が多いようにも思います。
どうしてこのように言われてしまうのか理由もちゃんとあります。
ナンピンマーチンゲールと言うのは、頻繁にトレードを行い、またロット数も大きくなりやすいからです。
この性質を利用して、FX業者から手数料を多く貰おうと言う思惑があるからです。
説明しますと、まずは指定したFX業者の口座を開設してもらいます。
その後指定した口座で取引をすると、紹介した人にFX業者から手数料を貰うことが出来ます。
つまりこのようなお金の巡りとなっています。
ナンピンマーチンゲールはトレード回数が多くロットも大きくなりやすい=紹介者への手数料還元が大きくなる。
この循環があるからこそ、ナンピンマーチンゲールの手法を取り入れたEAを無料で提供しているものは危ないと言われる理由です。
しかしそれは上記で言った通り、根拠のないエントリーを繰り返すEAの場合だけです。
ちゃんとエントリー根拠が揃うまで売買をしないEAは、たとえナンピンマーチンゲール手法のロジックであっても、稼ぎ続けられる可能性はあります。
ナンピンマーチンゲールがすべて危ないのではなくて、一部の粗悪なEAが危ないと認識する事の方が大事なのです。
ナンピンマーチンゲールが危ない手法ではない理由
☑ 根拠のある買い増しや売り増しは優位性がある
☑ プロの投資家でさえナンピンはよく使う手法である
☑ 手数料搾取のためだけにナンピンマーチンゲールする訳では無い
ナンピンマーチンゲールまとめ
ナンピンマーチンゲールとは決して危ない手法ではなく、使いどころを間違えてしまうのが危ないと言うわけです。
これは裁量トレードもEAも同じです。
EAの場合は確かに、含み損が多くなる傾向にあります。
ですが適切なロット数と推奨されている以上の証拠金を用意すれば、破綻する確率はかなり下がります。
「コロナショック時の大暴落でロスカットされてしまった!」
と言った方も多く居ます。
ですがそれは裁量トレーダーも同じです、多くの方が損失を被っています。
つまりナンピンマーチンゲールが悪いのではなく、人も機械も想定してない相場には弱いのです。
それにナンピンしないプロのトレーダーなんて居ません。
むしろナンピンをうまく使いこなす人が「プロのトレーダー」と呼ばれるのです。
ナンピンマーチンゲールは危ないと言う情報を与えられるだけではなく、ナンピンマーチンゲールを回避していたトレーダーの方も一度触れてみて、危ないのかどうか自身の目で確かめてみるのが一番だと思います。
損をしたくないと言う気持ちもすごく分かります、ですが時には勇気を出して行動することも大事ではないのでしょうか?
この記事を機会に、皆さんの利益が少しでも増えれば幸いです。
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