※この記事は3月19日現在のものとなっております。
最近、世界規模で世間を揺るがせているロシアによるウクライナへの軍事侵攻。
主要国によるロシアへの経済制裁強化により、世界経済への悪影響の懸念は強まり続けている。
もしウクライナ侵攻が長期化すれば、為替にはどのような影響が出てしまうのか?
その他、金融商品への影響なども詳しく考えていこう。
ウクライナ侵攻長期化の影響・為替編
もしロシアによるウクライナ侵攻が長期化すれば、世界経済に様々な影響が出てくることでしょう。
まずは直近で皆さんにも影響が出ているであろう、ロシアによるウクライナ侵攻で世界の原油市場は供給減への警戒感から来る原油高です。
実際にレギュラーガソリン1リットルの価格が170円を越えており、皆さんの家計を圧迫しているのではないでしょうか?
これら原油や天然ガスの価格高騰の影響は為替市場にも出ており、欧州の主要通貨であるユーロが大暴落を起こしてしまっています。
ユーロドル1時間足
ユーロが直接的な影響を受けている原因は、ヨーロッパと言う地理的に近い位置で軍事侵攻が行われていると言う事もありますが、原油や天然ガスの価格高騰の影響で、物価上昇圧力をより強く受けてしまい金融を引き締めざるを得ないと言う背景があります。
つまり簡単に説明しますと……
軍事侵攻による影響で原油や天然ガスの輸入ができない!
原油や天然ガスを使用する製品の価格が上昇してしまう
物価消費をどの企業も控えるため経済が回らなくなり悪化してしまう
欧州中央銀行は消費を促す為、金融を引き締めざるを得ない
結果、ユーロ安が進んでしまう!
この悪循環によりユーロ安は現在も進み続けています(2022年3月19日現在)
もしこのまま軍事侵攻が長期化してしまえば、EUR/USDは過去20年の最安値ラインである1.03364を割り込んでしまう恐れもあるでしょう。
しかし単純に投げ売りされ続ける可能性は低く、少しでも好景気の材料さえ出れば、今まで売り続けていた投資家たちの買い戻しが始まるので、更に下落すると言った心配はほとんど無いはずです。
ですがユーロは下落を続けていますので、取引を行っているトレーダーは細心の注意を払うか、荒れている現在の相場には手を出さないなどの対策が必要です。
ウクライナ侵攻長期化の影響・金(GOLD)編
FX業界ではここ2,3年で人気となっている取引商品の金(GOLD)
FXは国同士の通貨ペア以外にも、金や原油などの商品も取引することが出来ます(FX会社による)
特に金(GOLD)は1日やわずか1時間ほどで200~300pips動くことも珍しくなく、短時間で大きな利益を狙うことが出来るため、取引を行う方が増えてきている金融商品となっています。
もちろんこの金(GOLD)もウクライナ情勢の影響を受けており、大きく値が動いた金融商品でもあります。
およそ1か月前に比べて価格が3000pips程値上がりしており、現在もその価値をどんどん上昇させています(2022年3月19日現在)
金(GOLD)チャート 4時間足
と言うのも金(GOLD)は安全資産と言われており、有事の際(非常事態)は自身の資産を確保しようと金(GOLD)を保有する動きがみられるからです。
金が安全資産と言われる理由
金(GOLD)というのは破綻してしまう可能性が無く、株式や通貨のように紙切れになってしまう心配がありません。
さらにその価格は世界基準となっており、世界中どこでも普遍的な価値を有する資産なのです。
このため金(GOLD)はリスク回避(リスクヘッジ)の資産とされ、株式相場が下がった時は、金(GOLD)相場は上がる傾向にあります。
もし世界の株式市場や為替相場が下落を続けるようならば、金(GOLD)は逆に上昇し続ける可能性が高いです。
だからと言って価格が上がり続けるわけでは無く、利益確保を目論む投資家たちの売りによって価格が下がる事もあるはずなので「とりあえず金(GOLD)はどんどん買い増せば価格は上昇し続けるから大金持ちになれるぜ!」と言った安易な考えで取引するのは止めましょう。
ウクライナ情勢による金融市場への影響まとめ
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は現在も続けられており(2022年3月19日現在)、金融市場はますます混乱の一途を辿っています。
特にFXなどを始めて間もないトレーダーの方は、現在のような荒れた相場ではなく、落ち着いた相場で取引を行う事をオススメします。
それ以外のトレーダーであってもテクニカル要素が全く効かないと言う訳ではありませんが、よほどの自信がない限り現在の相場に手を出さない方が賢明だと思います。
しかし本当に考えなければならない事は、お金を稼げるかどうかではなく、軍事侵攻と言った愚かな行為は1日も早く止めて欲しいと切に願います……
その他、気になる事があれば下記のお問い合わせフォームにお気軽に連絡してください。