自動売買やEAにも裁量トレードの手法と同じように様々なトレード方法があります。
自動売買やEAで基本的に多くの種類がスキャルピング~デイトレードの手法となっていますが、中にはスイング系の自動売買やEAも存在するのです。
今回は種類は少ないけれど、様々な相場情況に対応できるスイング系の自動売買やEAの特徴や性質について詳しく解説したいと思います。
Contents
スイング系の自動売買やEAとは?
スイングトレードとは、FXにおける手法の1つであり数日~数週間の長期間ポジションを保有し続け、比較的大きな獲得pip数を狙いに行くトレード方法です。
そのため1日単位で利益は出ないかもしれませんが、一度のトレードで大きな利益を狙う事も可能です。
スイング系の自動売買やEAを使用している方は、年間のトータル利益を重視している方が多く、普段は仕事などで忙しくチャートを頻繁に確認できなかったり、重要指標時にEAの稼働をストップすることの出来ない方など、長期的な目線でのんびりトレードを楽しむ方にオススメの手法となっています。
スイング系自動売買やEAのメリット
ここからはスイング系の自動売買やEAの特徴と性質を解説しながら、それぞれのメリットとデメリットを説明したいと思います。
獲得pip数や利益が大きい
スイング系の自動売買やEAはポジション保有時間が長いため、1度のトレードで獲得pip数や大きな利益を狙えるのが特徴です。
おおよそ1度のトレードで数百pipsは獲得できるので、証拠金が多ければ多いほどスキャルピングやデイトレード系に負けないくらいの利益を得る可能性があります。
特にボラティリティの高い通貨ペアですと、目標の数百pipsはすぐに到達できるので、トレード回数も増えてより多くの利益を得られることもあるのです。
トレンドが出たら大きく稼げる
スイング系の自動売買やEAは基本的に狭いレンジ内でコツコツ利益を積み上げるのではなく、トレンドの発生を狙いに行くタイプのものとなっています。
そのため大きなトレンドが発生した際は、そのトレンドに追従して行きより多くの利益を得る可能性も高いのです。
レンジ内でエントリーすることはほとんど無いので、ダマシに遭いにくく勝率も比較的高いEAが多く存在します。
重要指標などの影響を受けにくい
アメリカ雇用統計やFOMCなど重要指標時は、大きくレートが動く時があります。
しかし大きくレートが動いたからと言って、1度に100pips以上も動くのは最近になってほとんどありませんので、1度のトレードで数百pipsを狙うスイング系のEAにとっては重要指標の影響はあまり関係がありません。
スキャルピングやデイトレード系の自動売買やEAだと、50~80pipsレートが動くだけで大きな損失を被る事もありますが、スイング系のEAにとっては例え思惑と逆方向にレートが動いたとしても、100pips程度の含み損は想定の範囲内なので、問題無くその後も稼働をし続けられるでしょう。
スワップポイントも狙える
スイング系の自動売買やEAは数日間~数週間ポジションを保有し続けるので、トレード結果とは別にスワップポイントも同時に狙うことが出来ます。
特に新興国通貨だと金利が高い場合が多いので、より多くの利益を獲得できることもあります。
ただしスワップポイントで利益を狙うには大きなロット数でエントリーしなくてはならないので、どちらかと言うと証拠金を多く用意できる人向けとも言えますね。
マイナー通貨でも使いやすい
マイナー通貨のほとんどはスプレッドが広めに設定されていますが、1度のトレードで数百pips以上狙うスイング系にとってはスプレッドの広さは問題になりません。
なので先ほど紹介した「スワップポイントを狙える」新興国通貨とは相性も良く、トレード結果+スワップポイントで多くの利益を得られるかもしれません。
しかしスイング系のEAの全てがどの通貨ペアにも使用できるわけでは無いので、EAを稼働させる前に推奨されている通貨ペアも確認しておきましょう。
テクニカル分析が機能しやすい
スイング系の自動売買やEAはのロジックは、短期足よりも4時間足や日足などと言った大きな時間足を基準にしているものばかりです。
基本的に時間足が短期になるほどテクニカル分析が効きにくくダマシに遭遇することも多くありますが、時間足が大きいものほどテクニカル分析が良く効くのでダマシに遭いにくく、高い勝率を維持することができます。
高い勝率のおかげで、稼働させたトレーダーも安心してトレードを見ていられるので精神的負担も少なくて済みます。
心のゆとりがトレードの成績に直結するので、精神的に安定していればトレーダーが勝手に損切りを行ったりEAの稼働を停止したりなどの行動をとる事はまずないでしょう。
スイング系自動売買やEAのデメリット
続いて同じようにスイング系の自動売買やEAのデメリットも、その特徴と性質を解説しながら順番に述べていきます。
取引回数が少なく資金効率が悪い
1度のトレードで数日間~数週間ポジションを保有し続けると言う事は、取引の総回数はかなり少なく利益率は悪くなってしまいます。
さらに利益率が悪いと言う事は、複利運用で稼働したいと思ってもなかなか資産が増えず複利運用するための証拠金に貯まるまで時間がかかる事でしょう。
スイング系の自動売買やEAを使用するのなら、なかなか利益が出ない事は覚悟して使用しなければなりません。
レバレッジを大きくかけられない
数日間~数週間ポジションを保有し続けると言う事は、一時的に大きな含み損に耐えなければならない事もあります。
なのでスキャルピング系やデイトレード系よりもレバレッジを低く抑えたロット数と多くの資金で稼働させなければなりません。
仮に大きなレバレッジをかけてエントリーした場合、思惑とレートが逆行してしまったらすぐにロスカットされてしまう事でしょう。
スイング系の自動売買やEAを使用するのなら、ナンピン型やワンポジ型に関係なく多くの証拠金が必要になってくることは覚えておいてください。
損失も大きくなる
自動売買やEAには勝率100%の「聖杯」は存在しません、それはスイング系も同じです。
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特に数日~数週間ポジションを保有し続けるスイング系は1度の損失も大きくなりがちです。
獲得pip数も多い代わりに、損失pip数も多いので証拠金は必ず多く用意しておきましょう。
さらに損失が出てしまったとしても耐える精神力が必要になってきます。
マイナススワップが痛い
通貨ペアによってはプラスのスワップポイントがあるのはもちろん、マイナスのスワップポイントの通貨ペアも存在します。
数日間~数週間ポジションを保有し続けるスイング系にとって、マイナスのスワップポイントは収益にも響いてきます。
なので「マイナスのスワップポイントの通貨ペアは使用しない」「スワップポイントがプラスの買いのみ又は売りのみ」などの対策が必要になって来るかもしれませんので注意しましょう。
スイング系自動売買やEAを選ぶ際の注意点
スイング系の自動売買やEAを選ぶ基準は、スキャルピング系やデイトレード系のEAとは異なってきます。
スイング系のEAはどうしても取引回数が少なくなってしまうので、直近のデータだけでは信用性が低いからです。
バックテストは最低でも10年以上のものを、フォワードテストが公開されているものは最低2年以上のデータがあるもの選んでください。
また年間を通じての損益で損失が出て無いものを選び、含み損やドローダウンが比較的少ないものを探してみましょう。
含み損やドローダウンが大きいと、いくら勝率の高いスイング系と言えど一度の損失で資金の大半を失いかねません。
スイング系は大きなpips数を狙うので、レートが逆行すれば大きな含み損を抱えてしまうかも知れません、その場合にちゃんと損切りをしてくれるEAかどうかも確認しておきましょう。
スイング系の自動売買やEAについてまとめ
スイング系の自動売買やEAは数が少ないので、使用しているトレーダーも少なく正確なデータや情報はあまり取ることが出来ないのが現状です。
ただしスイング系のEAは詐欺の商材とはならないでしょう。
詐欺の商材の多くは「毎月の利益」や「毎日の利益」を大々的に宣伝して売ったり提供したりするものなので、毎月や毎日の利益がほとんど出ないスイング系は詐欺の標的にはなりません。
そう言った意味でもスイング系のEAで騙される方はまず居ないと言っても良いでしょう。
逆に言えば公開されているデータは信じて良いものばかりなので、優秀な自動売買やEAを探しやすいと言ったメリットもあります。
なので「今すぐ稼ぎたい訳じゃないけど、年間を通じて少しだけお小遣いが欲しい」と言った方は比較的安定感のあるスイング系のEAをオススメします。
その他にも、現在使用しているEAがスキャルピング系またはデイトレード系のEAならば、リスク分散の意味でもスイング系のEAを加えてポートフォリオを組んでみてはどうでしょう?
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自動売買やEAで安定して利益を得るためには、「リスク分散」「資金管理」が必須となってきます。
そこで自分に合ったリスク分散や資金管理ができる自動売買やEAを探してみて、無理のない範囲でシステムトレードを行ってください。
スイング系の自動売買やEA
☑ スイング系は数日間~数週間ポジションを保有し続ける
☑ 細かく利益を積み重ねるのではなく大きな利益を1度で狙うタイプ
☑ スイング系を使用する際は、長期目線での稼働がオススメ
☑ 損失額も大きくなりがちなので、資金やロット数には注意して稼働させる事
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